でも・・・命と引き換えの物乞いです・・・。 病院の医者は直ぐ手当てをしなければ命が無いと言っていたのに・・・・・。
この子を引き取るためにポイペットの事務所から車を呼んでいる間、通り過ぎる人々 を見ていますと多くの外国人がこの子の傍を通り過ぎます。でも、だれも目を停める 人はいません、路傍の石を見るように無感動に通り過ぎる人や、汚いものでも見るよ うに眉を寄せて通り過ぎる人もいます。一人の子の命が失われようとしているのに誰 も無関心です。 この子のコップの中にお金を投げ込むのはその日のお金にも困っているカンボジアの 人々だけです。
でも、この子を何とか助けられるようにがんばります。そのため一日余分に仕事をす るようになっても、睡眠時間が減っても助けることができれば・・・。
事件⒉ 衰弱しきった物乞いのこどもを病院に見舞っている時、となりのベットに入院してき たベトナム人の女の子13才、簡易宿の従業員から連絡があり病院に担ぎ込まれてき ました。簡易宿に泊まった日から3日間意識が無いとの事です。
この子は、病院関係者の手当てによってようやく気を取り戻しましたが泣いてばかり います。事情を聞いてみると大変な目にあっていたことが判明しました。
「簡易宿に泊まった後眠くなりうつらうつらしていると鍵をかけたはずのドアが開い ており知らない男の人が部屋に入っていました。そして再び記憶がなく無くなって行 き気を取り戻した時には別の男の人がいました。」
薬を飲まされ数人の男にレイプされていたようです。 彼女はお母さんと一緒にタケオから出稼ぎに来てポイペットで服の行商をして 歩いていたようです。 事件の時(3日間)お母さんはどこにいたんだろうか ? 簡易宿もグルでは ? との疑問が膨らんできました。
でも、病院はお金のない人を見る余裕はない、病院の人から直ぐ出て行くように言わ れている。そんな状況に立ち会い、泣き続けている子に何とか元気になってもらいた いと願い病院と母親の了解を得て『ポイペットこどもの家』に連れてきました。でも ご飯を食べようとせず泣き続けています。もう三日間も何も食べていないのに・・ ・。
女の子に何をしたいのか? どうすれば良いのか聞いてみると・・・
「タケオの家に帰りたい!」
と、だけ繰り返す。母親に聞いてみると帰りたいが帰るお金が無い、との事。 何とか元気になるまでここに居るように伝えたが泣き続けている。
「ここに居て元気になれば学校も行けるし、食事の心配も無く、住む家もある。お母 さんがここの手伝いをして働けば収入もありお金の心配も無い。」
と、伝え説得するが聞く耳を持っていない。 仕方なく二人分の旅費を提供し、何かあれば連絡するようにと、私の名刺を渡し長距 離バス乗り場まで送っていった。 ポイペットからタケオまでは600キロ近くあり一日では着かない。この子はこれから どんな道を歩むのだろうか、心配になるがどうしょうも無い。娼婦にだけはしたくな いが・・・と、願いつつ送り出す。
その後、私はプノンペンに用事で出ることになりプノンペンの事務所に着くと待ち合 わせたように電話がなった、少女の母親からだった。相談したいことがあるのでお会 いしたいとの事だった。 もしかしたら、ベトナム人の少女は元気になり学校に行きたいと思っているのではな いか? それなら嬉しいが? 娼婦にならなくても済むかもしれない!  と願い、母親と少女に会ったが・・・。
母親は 「実は、私たちはベトナムから来ている。この子がベトナムに帰りたいと言うのでベ トナムに帰してあげたい。ついてはベトナムまで帰る費用を貸してくれないか? 」 との事。
この時、ハッキリと確信しました。 少女は事件にあったのではなく母親に売られたのだ ! と。
これはポイペットでのたった一週間の事件です。カンボジアに住む、直ぐ私の身近で 起きた事件です。 この二つの事件は共に被害者はこどもで、加害者はこどもの一番身近な人です。 私が必死に二人の救済を願っても、近親者の反対にあってはどうすることもできませ ん。
貧しさと教育の低さは無抵抗なこどもを犠牲にします。 こどもの人権と生活を守るために識字率を高め誰もが基礎教育を受けられるようにし ていきたいと願い『寺子屋』活動をつづけています。
でも、寺子屋に来れる子供は売られていかない子供たちです。寺子屋にも来れない子 供たちが売られていきます。 『カンボジアこどもの家』では現在15村15校の寺子屋4,000人を越えるこどもたちが 勉強に来ています。ひとりでも多くのこどもを守りたいと願い始めました活動ですが 無力さを痛感しています。 これからも一人でも多くのこどもたちに教育が受けられるようがんばっていきたいと 願っています。
『カンボジアこどもの家』 栗本 英世 支援について・・・
お金持ちが貧しい人々を支援することは難しいことです。 貧しい人々の中から立ち上がる人々を支援するのがベストのように思います。
お金、知識、能力をたくさん持っている人々はいつのまにか奢り人々を見下していま す。
お金のある人々は貧しい人々を汚いものを見るように蔑みます。
知識のある人々は知識の無い人々を見下げ、馬鹿にします。
能力の低いと思える人々の話に耳を傾けず彼らの活動を認めようとはしません。
私たち支援をする人は心して、驕らないように、威張らないように、人々に仕えてい かなければなりません。
今彼らと一緒に座り、彼らの荷物をともに持ち、彼らの苦しみに心を痛め、 一緒に喜べる人が必要です。
教える人でも、指導する人でもありません。まして、馬鹿にしたり叱りつけたりする 人は来てほしくありません。
へりくだることは難しいことです。まして貧しい人々や知識の無い人々の前で、自分 より低いと思える人々の前で、へりくだることはもっと難しいことです。
知識や物、お金の豊かな人が貧しい人たちと一緒に居るだけで、貧しい人々の自尊心 を傷つけています。威張らないように、高飛車に言わないように一生懸命心がけては じめて活動の支援を得られます。
貧しい人々の問題を安易にお金で解決してはいけない。お金で解決すれば彼らは自分 たちで解決できない方法だから。
最高に良いと思えます方法は『友』となることです。相手の人を尊敬してはじめてで きる人間関係です。

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